人の事情
人には事情がある。
これは他人が侵すことの出来ない領域。
上司だろうが友達だろうがそれは同じ。
真摯に聞くのが正なのではない。
本人に受け入れる準備が出来ていないうちは、単なる押し付けになる。
アドバイスする方は、当人にしか分からない事情があることを頭にいれておかねばならない。
理解する努力もせずに無理矢理分からせようとするのは単なる暴力。自分の欲を他人に押し付けているのと同じ。
もし心の底からアドバイスを送るのだとしたら、拒否されても怒りは生じない。
拒否されて怒りが生じるのは、自分の欲望を満たそうとしていた証拠。
一体俺の何を知っていると言うのだ。
「お前のためだよ」
その言葉は、あの日死に物狂いでリハビリに取り組んだこと、それを支えてくれていたセラピストがいたこと、医者がいたこと、家族がいたこと、それを知っているのか?
俺のため?
お前は俺の人生の責任を取れるのか?
お前の忠告を聞き入れたら100%幸福になると言い切れるのか?
何も俺は金持ちになりたいわけでも、出世したいわけでも、権威を示したいわけでも、長生きしたいわけでもない。
迷惑かかる?
であれば距離を取れば済む話だ。
人に他人を変える権利は無い。
もっと言うと、アドバイスを押し付ける権利も無い。
受け入れる準備が出来ていない人に対してアドバイスを押し付けたところで、所詮は反発にしかならない。
反発を招くアドバイスは本人のためにもならない。むしろ本人の可能性を狭めている(有益な可能性を潰している)。
上司は、先生でもなく部下よりも偉いわけでも人格者なわけでも知識があるわけでもない。
部下に働いてもらって利益を上げる役割
ただそれだけ。
勘違いして慢の煩悩を膨らませて本来の役割を果たせなくなると言う悪循環に気づいてほしい。
他人の評価はアッコに任せておけばいい。お前の仕事ではない。