ある秋の夜

「終わった」

 

何度も何度も心の中で呟く。

 

何の希望も無くなり、どうしたらいいのか分からなくなり、仕事にも集中できない。

 

もう終わった。

 

ただただ悔しさを必死にこらえて、希望、夢、生き甲斐、喜びを一個ずつ手放し続けねばならない人生。

果てしなく続く苦痛に満ちた人生。

もう何も見たくない。

 

だから、終わりを意識しないと、トンネルの出口を意識しないと、窒息してしまう。

 

「どうしたらいいんだ。」

 

そう絶望を感じて焦るのは、もう疲れた。

 

だから…もう終わった…それでいい。

 

何かに終われ、逃げ場を探し続ける、そんな人生に耐える体力はもう無い。

 

生きるも自由。死ぬのも自由。

 

自由なのに決められない。

 

決められなくて、仕方なく、誰かを傷つけ、誰かを邪魔する。

 

考えれば考えるほど、愚かな生き物だ。

滑稽でしかない。さっさと絶滅すればいいのに。

 

今日も無駄に煙草を吸ったな。

 

ただ、ぼっーと、行き場を失った我を思いながら…。

 

「晩秋」

 

いい言葉だ。