手遅れ

結局、便秘が改善されても、寝る前の食事をやめても、何をやっても身体の変形は全く変化がない。

それどころか、日々悪化の一途をたどっている。

 

月曜日から金曜日にかけて悪化(-3)。土日に少し回復して(+2)、また翌週悪化。

 

これを繰り返して、少しずつ毎週身体の変形が進行しているようだ。

 

気づけば肩や首も痛くなっている。別に大したことはしていない。ただ毎日仕事して、歩くだけで、だ。

 

原因も掴めない。

と言うか、恐らく原因を潰しても、ここまで変形が進行しているため、いまさら身体の変化が得られないと言うのが実態。

従って、何が原因なのかももう分からない。迷宮入り。

 

食事、薬、ストレス、仕事、人間関係、年齢…

原因を探せば探すほど、世の中に対する不信感ばかりが募っていく。

 

要は、手遅れと言うこと。

 

あとは、びっこひいて、情けない姿勢で今後の人生を歩まねばならない。

 

三年前、あれだけ毎日ランニングに取り組み、福岡の夢を追い掛けていたのに、たった一度の怪我、しかも今考えると大したことない怪我、それも、恐らく単なる疲労を大きな故障と考えた故の怪我を切っ掛けに、今や障害を抱えて人生を送らねばならなくなった。

 

後悔してもしきれない。

 

どうにもならない身体で何とか生活せねばならないため、今日も工夫して歩いてみる。

 

ふと外壁に目をやる。

 

そこには奇妙な人影がうつっていた。

 

物凄く力んでいる。踏ん張っている。前傾させながら。

 

日が落ち、正面からその人影を見ると、左肩が丸まり、右肩がいかり気味の、不安定な物体が動いている。

 

「奇異」

 

あの人何やってんの?ばっかじゃねーの?

見ない方がいいよ、きっと頭おかしいんだよ。

 

絵にならないと言うか、何と言うか。風景に調和していない、見るだけでこちらをイライラさせる物体…

絶対に被写体になってはいけない物体…

 

一体その物体はどこに向かって身体を進めているのだろうか?

一体何に侵されたらこんな風になるのだろうか?

死にたいとか思わないのだろうか?

楽しみとかあるのだろうか?

 

とにかく、関わらないのが身のためだ。