信じる
昨日の歩行の酷さ。
これ以上一人では改善は難しいと判断。帰宅早々GW前に施術を受けた整体へ予約の電話を入れる。
その後、疲労により風呂も入らずに寝てしまう。
しかも、途中目が覚めて、買い込んでいたポップコーンやその他食材を食ってはまた寝る。
最悪の四連休の始まり。
昼前に起床も、昨日の後悔と、憂鬱が入り乱れて何もやる気が起きない。
ぐずぐずと掃除機でポップコーンの残骸を吸い込む。
ポップコーン食ったのに、便意が来ない。
今日も天気が悪い。
さすがに梅雨でもこんなに晴れない日は最近の記憶にはない。
何を履いて行こうか。
本当だったら、雨用の革靴を履くのだが、こんなにくずな歩行能力。途中で足を痛めるかもしれない。
やむなくスニーカーで五キロ先の整体へ出掛ける。
胸の張が足りないのだろうか?そう思いいつもよりも胸を張るが、とんでもない歩きにくさ。
でも、実はこれが本当の歩き方であり、身体がこの歩き方に適応出来ないくらい崩壊しているのかも知れない。
そう考えながら、苦痛の中歩く。
Googleマップでは一時間程度の距離なのに、一時間半もかかった。
どうしようもない絶望感。
少し煙草を吸って、五分前くらいに治療院へ入る。
少し落ち着いた声で「どうぞ」と言われて中へ入る。
前回は結構明るく話してくれた印象があったが、前回から相当時間も経っているし、そもそもまだ一回しか通っていないので、こちらのことを忘れてしまっているのかな?
だが、施術が始まると、以前の口調で明るく話してくれた。
安心したのか、溜め込んでいたことが口からどんどん出てくる。
この二ヶ月で試したこと、始めたこと、でも全然効果が出なかったこと、原因が全く掴めないことなどを話す。
すると、色々ヒントを与えてくれた。
重要と思ったことを記しておく。
・習慣を戻しただけでは戻らないことも考えられる。骨折後にリハビリをしないと戻らないのと一緒。従って作り替える意識が必要。
・根本原因の特定も大切だが、それよりも色々な動きを覚えてリカバリーする能力の方が今後のためには重要。
・歪みをとるには動きにくい動きをしていくしかない。どうしてもしんどかったら寝るときにクッションを使うなどしてその方向へ持っていくのもあり。
・夜のバナナは間違い。バナナは朝食うべきで、夜はたんぱく質(豆腐)の方がいい。食生活の改善について話したら笑って答えてくれた。
・薬が歪みの原因になることは大いにあり得る。
・左の大腿直筋が張っている。これが歪みの原因にもなりうる。
・うつ伏せで寝ると、左回旋しにくい。
・ストレッチは筋肉が根本原因でなくてもすべき。骨折と一緒で、根本の癖が治ってもリハビリしないと歩けないのと同じ。
他にも色々教えてもらった。
自分も始まってから終わるまで、ひたすら質問攻め。
「沢山聞いてくれるのはすばらしいね。伸びるよ笑」
と言ってくれた(伸びる…って何が?とは思った)。
仕事では絶対に言われない褒め言葉。いや、これまでの人生で一度も言われた記憶がない。
後になって考えると、これは褒め言葉と言うよりも「うるせー」と言うことだったのかもしれない。
ここに来てアスペが現れたようだ。
興味があることはひたすら追及するが、興味がないことには何も頭に浮かばない。
施術が終わったあと、歩き方の悪さを指摘してくれた。
「まるで山登りのように足をあげて歩いているようだね。もっと、後ろ足の伸びが出るのが人間の本来の歩き方だよ。爪先で地面を引きずる練習をするといい」
「んーそうするとピッチも上がらないし、後ろに蹴る悪い動きになりやしないか?」
と思いつつも、真似して歩くと、とても歩きやすい印象。
「それそれ出来るじゃん。真っ直ぐ歩けているし」
あれ?こんな感じだったか?
会計を済ませ、外へ出てすぐに試す。
さすがに爪先を引きずって歩くわけには行かないので、爪先を引きずる意識で歩く。
なんだか、力を使っていないし、着地も安定する。
以前と何が違うか…。
なるほど、以前は足の背屈が早すぎた。足を前に出すときに足に力が入って背屈していた。しかも、左足は特にその傾向が強く、気を抜くと背屈してしまう。
だが、爪先を引きずる意識だと、膝に力が入らず、股関節を使いきる感覚がある。
「あーこれだ。」
以前右の股関節を痛めたとき、伸展が怖くなり、伸びきることをやめてしまっていた。
そのときの動きを思い出した。
歩く影を見る。
当然FAIが治ってないので左股関節の伸展可動域が狭いため、腰が引ける感じもあるが、何となく、しっかり足の力が抜けているときは腰の引けが落ち着くようにも見える。
背屈→膝に力が入る→大腿直筋起動→FAI
これが真だとすると…根本原因はこれか?
何より、身体が傾かない。
施術後なので歪みがとれているからかも知れないが、間違いなく一つ以前の動きを思い出した。
興奮隠せず、無駄にスーパーやコンビニへ寄り道して、必要もないものを買いながら歩いて帰宅。
決して治ったわけではないし、確実に治るとは言い切れない。
でも、この先生の言うことを信じれば、何とかなっていきそうな気もする。
よし、少し目の前が明るくなった。