新たな治療院へ

ここ数日は、仕事や人生を悲観的に感じることが増えた。

 

「…まあ向いてないのは分かってる。道を間違えたのも分かってる。でも常にベストを尽くしてきたことは事実。これが自分」

 

そう言い聞かせて、自分を励ます。

 

大して仕事の成果も無いのに、しかも昨日は休みだったのに、精神的に困憊している自分がいる。

 

駅へ向かう途中、歩きながら、何だか股関節が泣いているように感じた。

 

そう思った瞬間、涙が出てきた。

 

毎日文句を言われ、邪魔物扱いされ、それでも何一つ泣き言を言わずに必死に動いている。

 

俺と同じだ。

 

誰にも罪は無いのに。

 

空いた電車に乗って、自宅の最寄り駅を通り過ぎ、途中乗り換えて、3駅ほど離れた駅で下車。

 

ほとんど降りたことのない駅。目的は新たに通おうと決めた治療院へ行くため。

 

県内でも口コミ数が断トツで多い。

正直ここでダメならもう後はない。

 

びっこひきながら、躓きそうになるのをこらえながら歩く。

 

治療院に入ると、活気に溢れている。

治療院と言うよりは、店のようだ。

 

対応してくれたのは若い兄ちゃん。

下手すると一回りくらい若いかもしれない。

 

まずは歪みチェック。

 

予想通りだったのは、左骨盤が上がっていたこと。

予想外だったのは、反り腰で右肩が猫背気味。

 

もう全身歪みだらけだ。

 

治療は手技オンリーで、リハビリでやってもらったようなものだが、リハビリよりもやや強めに股関節を動かしたり、めちゃくちゃ痛いマッサージもある。

 

内転筋、ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿四頭筋、深層筋辺りをマッサージ。特に問題の筋膜張筋は多目にやってもらった印象。加えて肩周りや背中もやってもらった。

 

終わったあとは、来たときの可動域制限がまるで無くなったかのような軽やかさ。

 

尤も、ストレッチ直後はそれなりに軽くなるが、時間とともにすぐに戻ってしまうのは経験済。喜んでもいられない。

 

まず一回で治るのは有り得ないとのこと。

 最初は週2で1ヶ月。そこが一つの区切りになるそうだ。

 

治療費は平均的。したがって1ヶ月分だけでもかなり大きな出費になる。

 

しかし、もう後はない。信じるしかない。

 

1ヶ月はランニングも休止。ただし、歩行はOKとのこと。

 

理想は歩行も数十分程度と言われたが、こればっかしは譲れない。あえてどのくらい歩くかは言わずに、回数券を購入して治療院を後にする。 

 

一駅分電車に乗って、そこから家まで歩く。

 

フォームは足のあおり。これが最も安定しているため。

 

間違いなく、来たときよりも歩きやすい。

これを何とかキープしたいと思うも、少しずつ左腸脛が張り始める。

 

「一体何故腸脛が張るのか」

 

そして少しずつびっこひきが現れる。

 

やっぱり歩き方なのか。もう答えは誰にも分からない。

 

影を見ると、左腰が出ている。

 

とても辛くなり、死にたくなる。

 

最後は、左右差を極力無くすために爪先をほぼ進行方向に向けるようにして歩く。

効果は分からない。

 

トンネルは長い…。