引きこもり
今日も部屋に籠って家具を組み立てた。
「今やれることをやる」
今後、もし走れるようになったら、その時に、「部屋片付けておいてよかった」と思えるように。
本を片付けていたとき、一冊の本に目が止まった。
「骨格ランニン◯」
著者:鈴木清◯
ひどい、無茶苦茶なことが書いてある。
当時は股関節を何とかしたくて、必死に読んでは実践した。
今思えばそれが致命傷に繋がった。
人体の仕組みを無視した酷すぎる内容。
「こいつのせいで…」
恨みは良くない。
他人のせいも良くない。
それは分かっている。
しかし、あの年以来、走ったり歩いたりと言う人間の当たり前の行為が出来なくなり、未だに解決策すら見つからない酷い身体になってしまった。
人生狂った。
そう考えると、怒りがわいてくる。
「こいつにさえ出会わなければ…」
悔しさでが込み上げる。
「こいつは人間なのだろうか。よく平気な顔してこんなインチキだらけの本を書店に出せるな。
世の中の弱い人間を利用して金を漁る詐欺師。
酷いやつがいるもんだ。」
怒りが抑えられなくなり、本を床に叩きつける。
明日は勝田マラソンだ。
また今年も指をくわえて過ぎるのを堪え忍ばねばならない。
死ぬまでこんな気持ちを感じなければならないのか…。
早く楽になりたい。